2009年 11月
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10 | 2009/11 | 12

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乱反射


乱反射 貫井徳郎

 良識派の主婦、怠慢な医師、深夜外来の常習者、無気力な公務員、尊大な定年退職者。
 複雑に絡み合うエゴイズムの果て、悲劇は起こった…。

 という紹介文にひかれて借りてきました。
 実際はもっと登場人物がいて、その各々の日常的な些細なモラル・ルール違反が重なったとき、2歳の男の子の命が失われる。
 と、これからの展開が最初に書いてあるので、実際男の子が亡くなるまでの前半は、これらのことがどうつながって一人の命を奪うんだろう??と、興味深く、また読み進めるうちに、ああ、こんなちょっとしたことでも人の死につながり得るんだ、私もいつ加害者になるか分からない、もしかしたらすでに加害者になってるのかもしれない・・・とわが身を振り返ると恐ろしくもあり、興味と恐怖とでページはどんどん繰られていきました。

 かなり入れ込んだ前半に対して、亡くなった男の子の父親が、わが子の死につながったであろうモラル違反をしていた人たちを訪ねて問いただしていく後半は、残念ながらそれほど感情移入できず。
 わが子の死の一因は、あなたのそのモラルに反した行いにあるんですよと言われ、素直にわが身の勝手さを反省し謝った人は一人だけ。あとは自己弁護と開き直り、逆切れのオンパレード。
 世の中にあふれるエゴイズム、こんなにも人々は身勝手ってことを描きたかったのかもしれないけど、自分の非を指摘されたとき、みんなこれほどまでそれを認めないものか??と、私は首をかしげて読んでいました。
 私にあらすじを説明されて、夫は「死につながったって言われたから(怖くて?)認められないんじゃないの」と言ったけれど、私は死につながったからこそ認めて謝りたいと思うんじゃないかと。

 と、もやもや感は残したけれども(ラストのエピソードも無駄に思えたし)、私の大好きな「自省を促す」小説だったので、まあ、良い読書ではありました。
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