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乱反射


乱反射 貫井徳郎

 良識派の主婦、怠慢な医師、深夜外来の常習者、無気力な公務員、尊大な定年退職者。
 複雑に絡み合うエゴイズムの果て、悲劇は起こった…。

 という紹介文にひかれて借りてきました。
 実際はもっと登場人物がいて、その各々の日常的な些細なモラル・ルール違反が重なったとき、2歳の男の子の命が失われる。
 と、これからの展開が最初に書いてあるので、実際男の子が亡くなるまでの前半は、これらのことがどうつながって一人の命を奪うんだろう??と、興味深く、また読み進めるうちに、ああ、こんなちょっとしたことでも人の死につながり得るんだ、私もいつ加害者になるか分からない、もしかしたらすでに加害者になってるのかもしれない・・・とわが身を振り返ると恐ろしくもあり、興味と恐怖とでページはどんどん繰られていきました。

 かなり入れ込んだ前半に対して、亡くなった男の子の父親が、わが子の死につながったであろうモラル違反をしていた人たちを訪ねて問いただしていく後半は、残念ながらそれほど感情移入できず。
 わが子の死の一因は、あなたのそのモラルに反した行いにあるんですよと言われ、素直にわが身の勝手さを反省し謝った人は一人だけ。あとは自己弁護と開き直り、逆切れのオンパレード。
 世の中にあふれるエゴイズム、こんなにも人々は身勝手ってことを描きたかったのかもしれないけど、自分の非を指摘されたとき、みんなこれほどまでそれを認めないものか??と、私は首をかしげて読んでいました。
 私にあらすじを説明されて、夫は「死につながったって言われたから(怖くて?)認められないんじゃないの」と言ったけれど、私は死につながったからこそ認めて謝りたいと思うんじゃないかと。

 と、もやもや感は残したけれども(ラストのエピソードも無駄に思えたし)、私の大好きな「自省を促す」小説だったので、まあ、良い読書ではありました。
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本:小説 | comments (4) | trackbacks (0) | page top↑
愚行録 | top | 子どもへのまなざし

comments

ciao*さんの読書の幅の広さがうかがえる一冊ですね。
私は狭い範囲で読む本を選ぶことが多く、
なかなか未知のジャンルに挑戦することも少ないので、感心してしまいます。
乱反射のタイトルの意味、なるほどーと思いました。
でも、どんなテーマの本でも自分自身に置き換えて、
等身大で感じながら読んで行くciao*さんの読み方、とっても好きです!
読書ってほんとパーソナルな体験なのだとあらためて思いました。
bourgogne | 2009/11/17 | URL [編集] | page top↑
貫井さん
ciao*さん、こんばんは。
「自省を促す」小説がお好きなんですか。それだけ向上心旺盛ってことかな。

貫井さんの本はまだ読んだことがないので、
今度読んでみようと思います。

『運命の人』第1巻、借りてきました。はてさて。
okada | 2009/11/17 | URL [編集] | page top↑
bourgogne さん
あら。私はブログに貼っておられる本棚拝見して、
bourgogneさんこそ読書の幅が広いと思ってました。
本の選び方も読み方も、いっつも代わり映えしないなーと
思ってましたが、とっても好きだなんて! わーい♪

はい、私も読んで「乱反射」なるほど!と思いました。うまいことつけますよね。

>読書ってほんとパーソナルな体験なのだとあらためて思いました。

ほんとそうですよねー。だから本棚って見られるのちょっと恥ずかしくないですか??
私は村上春樹とスヌーピー以外の本は、見えないところにしまってます(笑)
ciao* | 2009/11/17 | URL [編集] | page top↑
オカダさん
怒られて反省するんじゃなくて、こうして読書とか人の話とかで
疑似体験して「こうなっちゃうかも、気をつけなくちゃ」っていうのが好きなんです。
実際何かしでかして反省するのはだめですねー、打たれ弱いので。
だから消極的に向上心旺盛(意味不明ですみません~)ってとこでしょうか^^;

貫井さんの本、最初に読んだ「慟哭」があまり好みじゃなくて手に取らずにいましたが、
この乱反射のあと続けて別の本読んでます。けっこういろいろ出てますね。

ああー「運命の人」!
ブログ休んでる間に3,4巻も読みましたが、えーとごにょごにょ。。。
でも感想って人それぞれですしねっ。また感想きかせてくださーい。
ciao* | 2009/11/17 | URL [編集] | page top↑

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